現在1人サロンの開業準備中。ここだけはお金をかけた方がいい!というところがあればぜひ教えてほしい。
個人店をオープンする予定だけどなるべく予算を抑えたい。器具や備品を中古で購入しても大丈夫?
こんにちは、元1人美容室オーナーやぶきまゆこです。
今回はこのような疑問やお悩みをお持ちの方に、「1人サロン・個人店の開業、お金をかけるべきところは?」について解説します。
この記事の内容
この記事を書いているのは
■ 都内で8年間1人美容室を経営
■ 顧客0の土地で開業、4年後には予約の取れない美容室に
■ 集客 ⇒ 主に自作ホームページ、ブログ、店頭チラシのみ
私は、都内に顧客0の土地で開業し、1ヶ月前にすべての予約が埋まる1人美容室を8年間経営していました。
これから1人サロン・個人店の開業を考えている方、開業準備中の方で「開業でお金をかけるべきところが知りたい」という方はぜひ参考になさってください。
それではさっそく解説していきます。
1人サロン・個人店の開業、どんなものにお金がかかる?
開業費用の主な内訳7つ
1人サロンや個人店を開業する際にかかる開業費用にはどんなものがあるでしょうか?
主な内訳は次の7つです。
- 物件取得費…保証金、礼金、仲介手数料、前家賃など
- 内装工事費…カウンター、壁紙、塗装、床材、看板など
- 設備工事費…エアコン、給湯器、配管工事など
- 器具購入費…イス、テーブル、ワゴン、施術器具など
- 材料仕入れ費…施術・店販商材、飲食店なら食材など
- インターネット、電話関連費…Wi-Fi、固定電話、携帯電話など
- 備品購入費…パソコン、文房具、食器、インテリアなど
このように、何が必要か、どこで調達するのか、それぞれにかけれる予算は?など、開業前にオーナーが判断しなければならないことはたくさんあるのです。
費用をかける部分・かけない部分を見極める
何でもかんでもお金をかけてしまうと自分の首を締めることになりますので、費用をかける部分・かけない部分をしっかり見極める必要があります。
その際、次のことを頭に入れておくことをおすすめします。
- 「物件取得費、内装工事費、設備工事費」は後から修正ができないので、ケチらない
- 「材料仕入れ費、インターネット・電話関連費」は日々の営業をスムーズにするのに必要なので、削りすぎない
- 「器具購入費、備品購入費」は中古品をうまく購入しながら、予算を抑える工夫をする
開業費用には限りがあるため、費用をかけるべきところとそうでないところを、的確に判断していきましょう。
1人サロン・個人店の開業、お金をかけるべきポイント3つ
①トイレ
1人サロン・個人店の開業で、お金をかけるべきポイント一つ目は「トイレ」です。
なぜか?その理由はこちらです。
トイレは「お店の顔」と言われるように、優良客はトイレをよく見ている
優良客ほど「表から見えない部分にもしっかり意識が行き届いている」お店なのかを判断するのに、トイレをよく見ているものです。
では具体的にどうすればいいのか、おさえたいポイントは次の3つです。
- 和式トイレ→洋式トイレに変更する…設備工事が必要
- 洋式トイレ→ウォシュレット(温水洗浄便座)に変更する…セルフでできる
- 鏡、荷物置き場を設置する…工事orセルフで購入し設置
特に洋式トイレ→ウォシュレットに変更するだけなら、ネット通販で便座を購入し自分で交換することも可能ですし、女性1人でも簡単に設置できます。
下記商品は、私が1人美容室開業時に実際に購入したものですが、コストを格段に抑えられました。
このとき、注意してほしいことが一点あります。
賃貸の場合、退去時にすべて元通りにする必要があるため、交換前の便座はしっかり保管しておく!
「短時間しか滞在しない空間でも、お客様に心地よく過ごしていただきたい」
その心遣いが優良客の「満足」と「リピート」につながりますので、ぜひトイレにお金と手間をかけていきましょう。
②床、壁塗装
二つ目は内装工事に含まれる「床」と「壁塗装」です。
最近ではコストを抑えるために自分でDIYを考えるオーナーさんもいますが、1人サロンや個人店の開業では、コストをかけてでもプロにお願いすることをおすすめします。
なぜプロにお願いした方がいいのか、その理由をメリット・デメリットを挙げて解説していきます。
【メリット】
- 最初にしっかりプロに仕上げてもらうことで、日々の手入れ、メンテナンスが楽になる
- 経年劣化が目立たない素材、汚れやすい部分の色選定など、プロの視点で選定してもらえる
- 業者によっては残りの塗料を置いていってくれるので、自分でその都度部分リペアができる
【デメリット】
- DIYに比べてかなり費用が高くなる
このように、床と壁塗装をプロにお願いすることには、デメリットよりはるかにメリットの方が多くなります。
特に実用性や将来性を考えない素人のDIYにおいては、コストを抑えられても次のようなリスクが考えられます。
1人サロン・個人店はマンパワーがないため、後々不具合や修正が必要になっても、結局そこまで手が回らなくなる
このような時間・手間の無駄を生まないためにも、1人サロンや個人店の開業では床と壁塗装はプロにお任せしましょう。
③お客様が直接触れるもの(食器、タオルなど)
三つ目は「お客様が直接触れるもの」です。
お客様の中でも優良客ほど、これらを使う際「客が使うものにこだわりや意識があるお店なのか」を判断し、自分とお店の相性を測っているものです。
例えば、次のようなものが挙げられます。
- グラス、皿、食器類…サービスドリンク、飲食店など
- タオル、ガウン…美容室やエステサロンなど
また、お客様が直接触れるものにこだわり、そこにお金をかけることで次のようなメリットも得られます。
こだわって選び、費用をかけたものであれば、それ自体がお客様との話のネタになる
このように自分のお店に意識の高い優良客が増えてほしければ、1人サロン・個人店の開業では、お客様が直接触れるものにこだわり、お金をかけることをおすすめいたします。
1人サロン・個人店の開業、ここにお金をかけた!実例紹介
私が開業した1人美容室は1階+地下1階の物件でした。ここからは実際にお金をかけてよかったものなどの実例をご紹介していきます。
お金をかけてよかったもの4選
①トイレ
どんなに外装・内装が豪華でもトイレに意識のない店は流行らない、というのが私の持論です。
そのため、車椅子の方向けにトイレをバリアフリーにするため、大きな配管工事も行いました。
私は、お客様がトイレで何を感じ、何を求め、どう行動するかをとことん考えました。
トイレに手間とお金をかけたことで、高いアンテナを持ったお客様たちを集客することができたと思います。
②床・壁塗装
床・壁塗装は設計士さんとイメージを共有し、内装業者さんにしっかり仕上げてもらいました。
設計士さんが傷や汚れが目立たない床材や壁色を選んでくれたおかげで、置いていってくれた塗料やワックスをたまに塗るぐらいで、8年間手入れが楽にすみました。
設計士さんが美容室デザインをいくつも手がけている人だったので心強かった
店舗設計や内装は開業費用の中でも一番お金がかかる部分ですが、床・壁塗装は特にプロにお願いしてよかったと今でも思っています。
③炭酸泉発生機
お店の売りメニュー「炭酸スパシャンプー」で使用するため、炭酸泉発生機を購入しました。
新品なこともあり施術器具としては高額でしたが、「体験したらリピートしたくなる満足感」により必ず1年で元が取れると確信していました。
結果はリピート率85〜90%、「炭酸スパシャンプー」は看板メニューになった
このようなことからも、自店の売りメニューに関する器具や商材には迷いなく投資すべきと考えます。
④グラス・カップ類
サービスドリンク用のグラス・カップ類はFrancfranc
理由は3つ。
- 高いデザイン性と機能性
- サービス面でもお客様に喜んでもらいたかった
- 使用時にお店のこだわり・価値を感じてもらいたかった
本当は安価なものにもできましたが、グラス・カップ類にこだわりお金をかけたことで、お客様との話題に頻繁に上がり実際に購入した方も出てくるなど、大変喜ばれる結果となりました。
お金をかけなくてもよかったもの3選
お金をかけなくてもよかったもの3つについてもご紹介しておきますね。
- 「内装(こだわりデザイン)」…鍵付きロッカー、受付との仕切りデザインにこだわり設計してもらったが、費用がかさんだ
- 「シャンプー台、イス、ワゴン」…中古品でも良品がたくさんあるので、もっと吟味してもよかった
- 「レジ」…レシート発行なし、伝票・日誌で記録は残るのでお釣りを保管する簡易金庫で十分だった
当時の私は自己資金と創業融資で、お金があるかのように錯覚してしまい、丼勘定だったなと反省しています。
1人サロン・個人店の開業では、必要なものにしっかりお金をかけ、他は中古品などでバランスをとるのがベストだと考えています。
まとめ:お客様が見る、触れるものにお金をかけよう
いかがでしたでしょうか?お客様が目にする、直接触れるものにお金をかけることは優良客を増やすチャンスになります。
開業費用を有効に使うためにも、お金をかけるべきもの・かけなくていいものをしっかり判断することが重要です。
この記事が1人サロン・個人店の開業を考えている方、開業準備中の方の参考になれれば幸いです。